冬季、オホーツク海は海氷で覆われる。大規模な海氷域が出現する海としてオホーツク海が南限であり、それはシベリアから北半球で最も冷たい季節風が吹くことに由来する。海氷が生成することによって、春から秋にかけてオホーツク海表面には海氷の融解水が覆い、また水深300mには鉄分など栄養物質に富んだ海水層が作られ、それが千島列島沿いの海峡を通って親潮へと流れ出す。親潮は生物生産性が高く水産資源が豊富な海流であり、生物にとって文字通り「親なる潮」である。オホーツク海は豊かな親潮の形成に重要な役割を担っている。(2005年2月14日大島撮影@海上保安庁「そうや」搭載のヘリコプターより)
地球温暖化と森林伐採などによる土地開発で、大陸では乾燥化・砂漠化が進み、
そこでは「降水~森林からの蒸発散~海洋への河川流出」といった一般の陸水循環が行われなくなった。結局、森林が残っている陸域やモンスーン地帯に陸水循環が限定され、
そこでは異常降雨による活発な水循環によって、河川洪水や土砂くずれなどの災害が頻繁に起こるようになった。また、地球温暖化は氷河の縮退をまねき、ヒマラヤなどでは氷河先端の湖が拡大し決壊洪水が起こるようになった。他方、途上国での人口増加によって地下水が過剰に汲み上げられ、地下水位の低下ばかりでなく、ヒ素など有毒物質による地下水汚染が深刻化している。
このようなスケール間の相互作用の理解のための研究を新しいシミュレーション方法を用いて深めていこうと考えています。
これまで中緯度域の海洋は地表面付近の風を通じて大気の影響を受動的
に感じるだけであると考えられてきました。しかし、大西洋のメキシコ湾流や太平洋の黒潮のように非常に狭い範囲に強い流れを持ち、暖かい水と冷たい水がせめぎ合う場所では、海洋の放出する熱が大気の上空数キロメートルまで達することがわかりました。