2010 年 5 月 21 日に打ち上げられた日本の金星探査衛星「あかつき」は, 金星の気象の謎を解明することを目的としています。金星は地球のすぐ内側を回 る惑星で、大きさ・重さとも地球とよく似ています。
しかし金星全体は硫酸からなる雲におおわれており, 大気のほとんどは二酸化炭素からなります。その二酸化炭素の強い温室効果によってい、金星の表面の温度は昼も夜も摂氏 460 度に達します. 金星の大気の上層では、秒速100mもの風が吹いていて、金星をたったの100時間弱で1周してしまいます。
この強風を「スーパーローテーション」と呼びます。自転周期が地球にくらべ非常に遅いのにもかかわら ず、なぜこのような強風が吹いているのかは明らかになっていません。
「あかつき」は金星から放射される異る波長の赤外光を用いて雲の動きを立体的に観測し、それをもとに「スーパーローテーション」の原因の解明を目指していま す(参考サイト: 「あかつき」プロジェクトページ)
取得元:JAXA
「写真は月周回衛星「かぐや」によって撮影された「地球の出」。「かぐや」は2007 年 9 月 14 日に打ち上げられた日本の月探査衛星です。「かぐや」は月表面の元素組成、鉱物組成、地形、表面付近の地下構造、磁気異常、重力場の観測を全域にわたって行いました。
これらの観測によって、総合的に月の起源・進化の解明に迫ると期待されています。「かぐや」による観測は 2009 年 6 月 11 日に終了しましたが, 得られた観測データの解析とそれに基づく研究は今なお続けられています(参考サイト: 「かぐや」プロジェクトページ)
これらの観測によって、総合的に月の起源・進化の解明に迫ると期待されています。「かぐや」による観測は 2009 年 6 月 11 日に終了しましたが, 得られた観測データの解析とそれに基づく研究は今なお続けられています(参考サイト: 「かぐや」プロジェクトページ)
取得元:JAXA
太陽とその周りに存在する惑星は、「原始太陽系円盤」とよばれるガスと塵の混在した図のような円盤から形成されました。中心には形成直後の太陽が存在し、その両極から「ジェット」と呼ばれるプラズマが放出されています。ガス と塵の混在した円盤が次第に冷却するとともに、惑星の種ともいえる「微惑星」とよばれる km サイズの天体が形成されます。それらが互いに重力的な衝突合体を繰り返すことで惑星へと成長していくことが、最近の数値シミュレーションで明らかにされました。
近年、太陽系以外の惑星系が存在することが発見され、太陽系をモデルとした惑星形成理論の再検討が行なわれると同時に、地球のような惑星を探す観測研究が活発に行なわれています(参考サイト: NASA フォトジャーナル)
原始太陽系円盤のイメージ図
取得元:NASA Photojournal
オーロラは地球の極域で観測される現象ですが、地球以外の惑星でもオーロラ が存在することがわかってきました。図はハッブル宇宙望遠鏡で撮影された木 星のオーロラの画像です。地球のオーロラと異なり、光の帯びが分岐したよう に見えるのは、木星の主要な衛星(ガリレオ衛星と呼ばれます)であるイオ、ガニメデ、エウロパが影響しているためと考えられています。土星探査衛星「カッシーニ」が木星付近を通過した際に得られた磁場のデータを基に, 木星オーロ ラをもたらす磁場とプラズマの相互作用を明らかにする研究が進められています(参考サイト: NASA フォトジャーナル)
ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された木星オーロラの写真
ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された木星オーロラの写真
取得元:NASA Photojournal